1252023年版(2022.10)防毒マスク国家検定の規格概要 JIS T 8152:2012「防毒マスク」適合の吸収缶はP.40参照■吸収缶の除毒能力■防じん機能(捕集効率)の試験条件■防じん機能を有する防毒マスクの区分 試験粒子DOP【液体】NaCl【固体】粒径分布の中央値[μm]0.15 〜 0.25(σg≦1.6)0.06 〜 0.1(σg≦1.8)試験濃度[mg/m3]≦100≦50試験流量[L/min]8585試験時間200 mg供給されるまで100 mg供給されるまで区分粒子捕集効率[% 以上]吸収缶の通気抵抗(at 40 L/min)[Pa以下]試験粒子DOPNaCl直結式小型直結式隔離式(1)L3S399.9370370400L2S295.0290290320L1S180.0280280310防じん機能を有しないもの220220250(280)注(1) ( )の数値は一酸化炭素用吸収缶の場合。略語等の意味DOP:フタル酸ジオクチルNaCl:塩化ナトリウムσg:幾何標準偏差L:Liquid 試験粒子が液体S:Solid 試験粒子が固体3:粒子捕集効率 99.9 %以上2:粒子捕集効率 95.0 %以上1:粒子捕集効率 80.0 %以上■表2 指定防護係数(JIS T 8150:2021)呼吸用保護具の種類呼吸用インターフェースの種類全面形面体半面形面体防毒マスク5010■表1 防毒マスクが使用できる有毒ガス等 の濃度の上限(防毒マスクの規格)種類濃度の上限直結式小型0.1 %以下直結式1.0 %以下(アンモニアは1.5 %以下)隔離式2.0 %以下(アンモニアは3.0 %以下)対応ガスの種類(表示色)試験ガス(1)最高許容透過濃度[ppm]直結式小型直結式隔離式試験濃度[%]規格値[分以上]試験濃度[%]規格値[分以上]試験濃度[%]規格値[分以上]有機ガス用(黒)シクロヘキサン 50.03500.3300.5100塩素 10.02400.3150.5 60アンモニア用(緑)アンモニア500.1401.0102.0 40亜硫酸ガス用(黄赤)亜硫酸ガス 50.03350.3150.5 50一酸化炭素用(赤)一酸化炭素50 1.0180注(1)最高許容透過濃度:吸収缶に試験ガス含有空気を通した場合、吸収缶を通過した空気中の試験ガスの濃度が破過と判定されない最高の濃度。ハロゲンガス用(灰及び黒)1.作業環境に適した吸収缶や面体を選択しないと、防毒マスク本来の能力が発揮できないだけでなく、作業者が危険な状態に陥ることがあります。2.性質の異なる複数種のガス又は蒸気が混在する環境では、使用しないでください。■隔離式吸収缶の濃度の上限について直結式小型防毒マスク詳細はP.29直結式、隔離式防毒マスク詳細はP.43防毒マスクは、環境に存在する有毒ガス及び混在する粒子状物質を除去し、着用者が吸入する空気を浄化します。防毒マスクは、面体、吸収缶などから構成され、直結式小型、直結式、隔離式の3種類に分類されます。吸収缶の種類は多数ありますが、このうち有機ガス用、ハロゲンガス用、アンモニア用、亜硫酸ガス用、一酸化 炭素用の5種類については、国家検定に合格したものを使用しなければなりません。粒子状物質も除去する場合は、防じん機能を有する吸収缶を使用してください。防じん機能は、区分L3、L2、L1及びS3、S2、S1に分類されます。この性能(粒子捕集効率)は、防じんマスクと同等です。作業環境に応じた吸収缶を選び、吸収缶を面体に取付け、正しくお使いください。防毒マスクを使用できる作業環境 1.酸素濃度18 %以上の環境であること。 2.常温・常湿及び常圧の環境であること。 労働安全衛生法に基づく「防毒マスクの規格」において、マスクの種類ごとに使用できる環境濃度の上限が定められています(表1参照)。 しかし、顔面とマスクの接顔部との隙間からの漏れ等を考慮し、JIS T 8150:2021「呼吸用保護具の選択、使用及び保守管理方法」では、防毒マスクの指定防護係数が表2のとおり規定され、「要求防護係数よりも大きい指定防護係数をもつ呼吸用保護具を選択しなければならない」とされています。※1 防じん機能付き防毒マスクの有毒ガスに対する指定防護係数は上記表2を、粒子状物質に対する指定防護係数は、P.130「表4 呼吸用保護具の指定防護係数」の防じんマスクの指定防護係数を適用してください。※2 有毒ガスの環境濃度が、表1に示す濃度を超える場合又は要求防護係数より大きい指定防護係数をもつ防毒マスクがない場合は、送気マスク又は自給式呼吸器の使用を検討してください。全面形面体…顔全体を覆うもの半面形面体…鼻及び口辺のみを覆うもの 有毒ガスの種類によって、安衛法の上限(2.0%以下)よりも低く設定している吸収缶があります。(例:リン化水素、臭化メチル) 使用できる濃度については製品に添付されている破過曲線図を参考にしていただくか、へお問い合わせください。
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