2023年版 総合カタログ
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フィットテストとは、着用者に適した面体を提供するため、計測装置等を用いて、顔面と呼吸用保護具のフィットが良好であることを客観的に確認する方法のことです。フィットテストについては、JIS T 8150:2021「呼吸用保護具の選択、使用及び保守管理方法」に規定されています。また、具体的な実務については、「呼吸用保護具フィットテスト実施マニュアル」(2021年5月25日 日本保安用品協会発行)に取りまとめられています。フィットテストフィットテストは、面体を有する呼吸用保護具の着用者が行うシールチェック (従来、フィットチェックと呼ばれていた内容)とは異なり、測定装置等を用いて、面体と着用者とのフィット(密着性)に ついて測定を行い、面体が適切にフィットするサイズ、形状などを有するものか否かを調べることを目的としています。フィットテストの目的法令でフィットテストが義務付けられている作業では、1年以内ごとに1回、定期的にフィットテストを実施します。JIS T 8150:2021では、上記の定期的な実施に加えて、面体を有する呼吸用保護具を初めて使用する前及び異なる面体(サイズ、形状、型式、材質又は製造業者)を使用するごとにフィットテストを実施しなければならないとしています。フィットテストの実施頻度フィットテストの方法には、定量的フィットテストと定性的フィットテストがありますが、この項目では定量的フィットテストについて説明します。(定性的フィットテストについてはP.129参照)定量的フィットテストは、一般的には通常の室内に存在する大気じんが試験物質に用いられます。着用者が規定の動作を行い、面体内外における試験物質濃度を光散乱方式の計測装置で測定し、フィットファクタを求め、その数値が要求フィットファクタ以上であるか否かを調べる方法です。フィットテストの種類「特定化学物質障害予防規則」(昭和47年労働省令第39号)及び「金属アーク溶接等作業を継続して行う屋内作業場に係る溶接ヒュームの濃度の測定の方法等」(令和2年厚生労働省告示第286号)では、屋内作業場において継続して行う金属アーク溶接等作業について、フィットテストを実施し、その結果を3年間保存することが義務付けられています。呼吸用保護具を装着する上で、面体と顔とのフィット(密着性)は非常に重要なため、現在はフィットテストが義務化されていない作業であっても、フィットテストを実施することを推奨します。フィットテストが義務化された作業面体を有する呼吸用保護具(フード形・フェイスシールド形は対象外)フィットテストの対象となる呼吸用保護具対象となる呼吸用保護具の例使い捨て式防じんマスク電動ファン付き呼吸用保護具取替え式防じんマスクフィットテストシールチェックろ過材及び面体面体■写真はSy28RX2・5■写真はTW01SCT2■写真はDD02-S2-2K面体992023年版(2022.10-2)

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