インジウム・スズ酸化物(ITO)等対策
平成22年12月22日に厚生労働省から、通達「インジウム・スズ酸化物等取扱い作業による健康障害防止対策の徹底について」(基安発1222第2号)が出されました。(以下、インジウム・スズ酸化物をITOという)。 下記に、通達の別添1「インジウム・スズ酸化物等の取扱い作業による健康障害防止に関する技術指針」に基づき、対象物質及び用途、呼吸用保護具の選定について要約し、ご紹介します。
対象物質と用途
| 物質名 | 用途 |
|---|---|
| ITO | パソコン、テレビ、携帯情報端末等の薄型ディスプレイ、 タッチパネル、太陽電池等の透明電極原料 |
| インジウム | 銀ロウ、銀合金接点、ハンダ、低融点合金、液晶セル電極用、 歯科用合金、防食アルミニウム、テレビカメラ、 ゲルマニウム・トランジスター、光通信、太陽熱発電、 電子部品、軸受金属、リン化インジウム結晶の原料 |
| 酸化インジウム | ITO用原料 |
| 三塩化インジウム | ITO用原料 |
| 水酸化インジウム | 透明電極材料用原料、酸化インジウム製造用原料、 硝酸インジウム、硫酸インジウム製造用原料、電池電極材料 |
※ 対象物質は上記物質のうち、ITOの製造、使用、回収等の過程で製造し、又は取り扱うもので、吸入性粉じんであるものとしています。
インジウム取り扱い作業に対する呼吸用保護具の選定
許容される濃度を3×10-4mg/㎥とした時の目安表
| 作業環境測定結果(1) | 選定すべき保護具の目安 | |
|---|---|---|
| 保護具の種類 | 防護係数について | |
| 測定未実施(2) 又は 3×10-2mg/㎥以上 |
1. 全面形電動ファン付き呼吸用保護具 (粒子捕集効率99.9%以上) 呼吸連動形PAPR シンクロシリーズ AP−S185V3 2. 全面形一定流量形エアラインマスク AL−4N、AL−2N 3. プレッシャデマンド形エアラインマスク Z−ALD、Z−AL(CS)―CMPA |
指定防護係数(3) 100〜1,000 又は それ以上の防護性能が期待できる保護具 |
3×10-3mg/㎥以上 |
1. 半面形電動ファン付き呼吸用保護具 (粒子捕集効率99.9%以上) 呼吸連動形PAPR シンクロシリーズ AP−S11V3 2. 全面形取替え式防じんマスク (粒子捕集効率99.9%以上) [ 区分RL3、RS3国家検定合格品 ] DR188T4、DR168T4、DR185L4N−1、 DR165L4N、DR165N3 ※装着者がこれらの呼吸用保護具を装着し、定期的にマスクフィッティングテスターにより漏れ率測定で2%未満(防護係数50以上)であることを確認することが必要 |
指定防護係数(3) 50〜100 又は それ以上の防護性能が期待できる保護具 |
| 3×10-4mg/m³超 | 半面形取替え式防じんマスク (粒子捕集効率99.9%以上) [ 区分RL3、RS3国家検定合格品 ] DR88SFT4、DR80SL4N、DR80SN3 |
指定防護係数(3) 10 又は それ以上の防護性能が期待できる保護具 |
| 3×10-4mg/m³以下 | 呼吸用保護具の使用が望ましい | |
注(1)作業環境評価基準に準じ算出した第1評価に基づき判断。
(2)作業環境測定が実施されていない作業
●1 労働衛生工学的設備が講じられず、高濃度ばく露が予想される特殊な作業
●2 装置のクリーニング(清掃)作業 他
(3)指定防護係数は、実験室内で測定された多数の防護係数値の代表値。
(呼吸用保護具を着用した状態で防護係数を実測しない場合の値。)
また、防じんマスクを使用するに際しては、フィットチェッカー等を用いて面体と顔面の密着性の良否の確認(フィットチェック)を行い、適切な面体を選ぶとしています。
フィットチェック例
取替え式防じんマスクの場合(陰圧法)
| ・手のひらで簡単 | ||
![]() |
手順1. ろ過材の吸気口を手のひらで塞ぎます。 手順2. 軽く(ゆっくり)息を吸った時、顔と面体 との接顔部分から、空気が流入しないこと を確認します。 (マスクが顔に吸い付く感じです。) |
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| ・フィットチェッカーを使って | ||
![]() ■フィットチェッカー(別売) |
手順1. フィットチェッカーのゴム管を指で つまんで塞ぎます。 手順2. 軽く(ゆっくり)息を吸った時、顔と面体 との接顔部分から、空気が流入しないこと を確認します。 (マスクが顔に吸い付く感じです。) |
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作業着等について
発散抑制措置として、防じん素材の作業衣及び作業帽を使用するとしています。
その内容に基づき、上記の保護具を装着した場合の例は次のとおりです。
労働衛生教育等
次の事項について労働衛生教育を実施することとしています。
また、事業者が特定のITO等取扱い作業を他事業者に請け負わせる場合は、1)〜4)については、あらかじめ情報を提供し、健康障害防止のための措置が確実に講じられるよう要請することとしています。
1)ITO等の物理化学的性質
2)ITO等の有害作用、ばく露することによって生じる症状・障害及び我が国における動物を用いた長期がん原性試験から算定したばく露が許容される濃度の内容
3)目標濃度及び作業規定に基づく作業方法
4)呼吸用保護具の使用方法
5)健康診断及びその結果の活用
6)その他健康障害を防止するために必要な事項(禁煙指導を含むことが望ましい。)
当社では、4)について、各種呼吸用保護具の取り扱い説明、マスクフィッティングテスターや、差圧計を用いたマスクの漏れについての実演等による安全のためのサポートも実施しています。
ご要望がございましたら、お近くの当社営業所までご連絡ください。
インジウム・スズ酸化物(ITO)等の取扱い作業による健康障害防止用保護具についてのカタログ



